はじめに
「日本人は歯を失いやすい」という事実をご存知でしょうか。
医療水準が高い国でありながら、歯の寿命に関しては欧米諸国に比べて短いというデータがあります。実際に、80歳で自分の歯が20本以上残っている人の割合はスウェーデンなど北欧に比べるとまだ低いのが現状です。
平尾にある秋月デンタルオフィスでも、比較的若い年代で「すでに奥歯を抜いた経験がある」という患者さんに多く出会います。その背景には、文化や生活習慣だけでなく、「自分自身のお口の状態を正しく把握していない」という意識の差があります。
本記事では、なぜ日本人が歯を失いやすいのか、そして予防のスタートとして私たちが行っている取り組みについて詳しくご紹介します。
世界と日本の歯科受診習慣の違い
- 欧米は「予防のために通う」
- 日本は「痛くなったら行く」
スウェーデンやアメリカでは、歯科医院は「痛みを取る場所」ではなく「歯を守るために通う場所」として認識されています。定期的なクリーニングやチェックを受けることは、子どもの頃から当たり前の習慣になっています。
一方、日本では「虫歯が痛くなったから歯医者に行く」という方がいまだに多く、治療が中心になりがちです。そのため、発見が遅れ、削る・抜くという大きな処置につながってしまいます。
日本人は「自分の口の中」を知らない
もう一つ大きな違いは、「自分自身のお口の状態を把握しているかどうか」です。
欧米の人々は「いつ、どこの歯を治療したか」をしっかり把握している方が多いのに対し、日本人は「どの歯を治療したのか覚えていない」「何本の歯に被せ物が入っているか知らない」という方が少なくありません。
これは「お口の健康を自分で管理する意識の差」と言えるでしょう。歯を失いやすい背景には、こうした意識の違いが大きく関わっています。
予防のスタートは「知ること」から
平尾の秋月デンタルオフィスでは、予防の第一歩は「自分のお口を知ること」だと考えています。
そのため初診の際には、マイクロスコープや口腔内カメラを使い、歯や歯ぐきの状態を写真や動画で撮影します。そしてモニターで映像を一緒に見ながら説明を行います。
「歯ぐきに炎症がある」
「小さな虫歯が隠れている」
「かぶせ物の隙間から汚れが入り込んでいる」
こうした情報を実際に“目で見て”理解していただくことで、自分ごととして予防の重要性を実感していただけるのです。
マイクロスコープで変わる予防歯科
マイクロスコープを活用することで、肉眼では見えない微細な異常を捉えることができます。たとえば、わずかな歯のひび割れや初期の虫歯、歯石の付着まで確認可能です。
また、動画や写真を記録していくことで、「去年と比べて歯ぐきの腫れが減っている」「クリーニング後に炎症が改善している」といった経過を患者さん自身が実感でき、予防へのモチベーションが高まります。
日本人が歯を守るために必要なこと
- 自分のお口の現状を知る
- 定期的に歯科医院に通う習慣を持つ
- セルフケアを継続する
カメラやマイクロスコープで見える化する
治療ではなく予防のために通う意識へ
歯磨きだけでなくフロスや歯間ブラシを活用
これらを実践するだけで、歯の寿命は大きく変わります。
まとめ
日本人が歯を失いやすいのは、文化や習慣だけでなく「自分のお口の中を知らない」という意識の差が大きな要因です。
平尾にある秋月デンタルオフィスでは、マイクロスコープを使った写真や動画でお口の状態を“見える化”し、予防の第一歩を踏み出せるようサポートしています。
「自分の口がどうなっているのか知りたい」
そう思ったときこそ、予防歯科のスタートラインです。


























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